| 税理士 |
「びっくりしましたよ! 社長が入院だなんて…」 |
| 社長 |
「いきなり病院に呼びつけてしまって悪かったね。まあ、体の方はさっき電話で話したとおり、心配ないらしいんだ」 |
| 税理士 |
「そうですかぁ。ま、さっき看護師さんとジャレ合っているお姿を拝見する限りでは、いつもの社長らしいとは思いましたが…(笑)」
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| 社長 |
「君も病人に向かって容赦ないね(笑)。実はね、こんなパジャマ姿でほんと情けないんだけど、真剣な相談なんだ」 |
| 税理士 |
「はぁ」 |
| 社長 |
「前々から少し気になってはいたんだが、実際にこんな状況にでもならないと、なかなか真剣に考えられないものでね。というのはね、私に万が一のことがあった場合に会社はどうなるか、ということなんだ。こういう問題は、身内にも社員にも相談しづらくてね。唯一、客観的にそして親身になって相談にのってくれる相手を思い浮かべたら君だったんだ」 |
| 税理士 |
「社長にとって僕がそういう存在であることは、税理士冥利に尽きますね。嬉しいので、今回の医療費控除申告はサービスさせて頂きますね(笑)。冗談はさておき、いわゆる“事業承継”という問題ですね」 |
| 社長 |
「なるほど。“事業承継”か。少し具体的に話してもらえるかな?」 |
| 税理士 |
「はい。事業承継とは文字通り、事業を現オーナーから後継者の方に引き継ぐことをいいます。事業を承継するためには、2つのバトンを引き継がないといけないと言われているんです」 |
| 社長 |
「2つのバトン…? 通常リレーのバトンは1つだから、2つのバトンというだけでも難しそうだな」 |
| 税理士 |
「まったくそのとおりです。バトンの1つは、いわゆる社長というポストの引継ぎ。そして、もう1つは会社の支配権、つまり株式の引継ぎです。ポストの引継ぎを人的承継、株式の引継ぎを物的承継と言ったりもします」 |
| 社長 |
「人的承継と物的承継……か」 |
| 税理士 |
「はい。人的承継には、後継者に社長というポストを引き継ぐということだけでなく、会社の経営理念、存在意義など、後継者の方が社長実務を行っていく上で必要な情報やノウハウを引き継ぐことも含まれます」 |
| 社長 |
「なるほど…。会社を引き継ぐということは、社長のポストだけを引き継げば良いと安易に考えていたよ。会社の経営理念や情報、ノウハウを引き継ぐことも大切ということか。それに事業承継を進めるためには、何よりも物的承継の問題があるということだね」 |
| 税理士 |
「はい。物的承継は会社の支配権を表す株式を承継することです。株式を承継する際には、上場してない株式であっても株式の価値が評価され、相続税や贈与税といった税金がかかりますので、税金の問題が非常に大きなウエイトを占めます」 |
| 社長 |
「なるほど。相続税の問題だ」 |
| 税理士 |
「その通りです」 |
| 社長 |
「人的承継も重要だが、せっかく君に来てもらっているのだから、最初に相続と相続税について少し具体的教えてもらおう」 |
| 税理士 |
「かしこまりました」 |