| 社長 |
「同族株主と同族株主以外の判定を行って、その後、実際に株式の評価をしていくことになるわけだよね? 評価方法について、具体的に教えてくれるかな?」 |
| 税理士 |
「はい。株式の評価方法は、同族株主と同族株主以外で評価方式が異なります。まず、同族株主については、原則評価方式という評価方式で評価されます。それに対して同族株主以外の株主については、原則評価方式で評価された評価額と配当還元方式という評価方式で評価された評価額のいずれか低い方が評価額となります」 |
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◆同族株主………原則評価方式
◆同族株主以外…原則評価方式と配当還元方式のいずれか低い方
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| 社長 |
「同族株主は、会社の支配権を持っていると考えるから、会社の利益や資産に着目して評価するという話だったよね。ということは、原則評価方式というのは、会社の利益や資産に着目する評価方式ということになるね。では、配当還元方式というのは、どのような評価方式をいうのかな?」 |
| 税理士 |
「はい。文字通り、会社の配当に着目して、株式の評価額を計算する方法です。同族株主以外の株主は、会社の支配権を持っているわけではなく、単に配当金を受け取ることを目的に株式を保有しているものと考え、株主が得られるであろう配当金に着目をして株式の評価額としているわけです」 |
| 社長 |
「なるほど。ということは、原則評価方式と配当還元方式との関係は、原則評価方式の方が評価額が高く、配当還元方式の方が評価額が低くなるという関係になるということで良いのかな」 |
| 税理士 |
「そうですね。一般的にはそのような関係になります」 |
| 社長 |
「では、最初に原則評価方式について、説明してもらえるかな?」 |
| 税理士 |
「原則評価方式には、大きく2つの評価方式があります。1つは、類似業種比準価額。もう1つは純資産価額です。それぞれの評価方式の特長についてご説明します。まず、類似業種比準価額は、未上場会社がもしも上場していたら、どのくらいの株価がつくかという視点で株式の評価額を計算する方法です。その会社が上場予定があるとかないとか、そのようなことに関わらず、上場していたらいくらの株価が付くかという視点で計算されます。具体的には、同じような事業を営む上場会社の株価をベースに、上場会社の配当、利益、純資産の3つの要素と評価会社の配当・利益・純資産の3つの要素を比較し合い、上場していたらいくらになるかという株価を計算します」 |
| 社長 |
「上場を考えているいないにかかわらず、仮に上場していたらいくらの株価が付くかというのは何とも乱暴だね。ところで、上場会社の株価や配当、利益、純資産については、どのように調べるの?」 |
| 税理士 |
「はい。上場会社のデータは、国税庁から定期的に公表されます。国税庁のホームページにも掲載されますので、そちらから入手します」 |
| 社長 |
「もう一つの純資産価額というのはどのような評価方法なの?」 |
| 税理士 |
「はい。純資産価額は、会社の有する資産や負債に着目をして、今の時点で会社がもしも解散したら株主にいくら戻るかという視点から評価額を計算する方法です。こちらももちろん解散するしないにかかわらず、解散したら株主にいくら戻るかという視点で計算されます」 |
| 社長 |
「また、こちらの評価方法も随分と乱暴だね。では、この二つの評価方法はどのような関係にあるの?」 |
| 税理士 |
「はい。簡単に言えば、類似業種比準価額は、上場していたらいくらかを求める評価方法であり、純資産価額は会社の所有している資産に着目する評価方法です。このうちどちらの評価方式で評価するのかについては、評価会社の規模により決まります。例えば、未上場会社であっても、上場していてもおかしくない大きな規模の会社については、上場していたらいくらかという類似業種比準価額が評価の原則になります。それに対して、個人商店と変わらないくらい規模の小さい会社については、会社の所有している資産に着目をして評価する純資産価額が原則になります」 |
| 社長 |
「なるほど。会社の規模に応じて、類似業種比準価額と純資産価額を組み合わせて評価額を計算するのか。ところで、会社の規模はどのように決められるの?」 |
| 税理士 |
「はい。まず、会社の規模は、5つに区分されます。大会社→中会社の大→中会社の中→中会社の小→小会社です。そして、会社の規模を判定するための一番シンプルな基準は、従業員数です。従業員100人以上の会社であれば、大会社になります。100人以上の従業員を雇用しているぐらいの会社であれば、やはり、大会社であろうという考え方です」 |
| 社長 |
「100名の従業員を雇うと言うのは、やはり大変なことだもんね。では、それ以外の判定はどうなるのかな?」 |
| 税理士 |
「はい。【1】取引高と【2】従業員数を加味した純資産額で判定します。具体的な基準は次のようになります」 |
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| 社長 |
「具体的な判断方法を教えてくれる?」 |
| 税理士 |
「はい。【1】取引高と【2】従業員数を加味した純資産額のそれぞれで会社の規模を求めて、そのうちいずれか大きい方が最終的な会社区分になります。例えば、次のような会社で判定してみましょう」 |
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卸売業
取引金額 30億円
総資産額 7億円
従業員数 25人
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| 税理士 |
「まず、卸売業で30億円ですから【1】取引高基準は、中会社の中となります。また、総資産額7億円で従業員数25人ですから【2】従業員数を加味した純資産額は、中会社の小となります。いずれか大きい区分が会社規模となりますので、【1】取引高基準の中会社の中が会社規模となります」 |
| 社長 |
「なるほど。いずれにしても、自社がどの区分に属するかを把握することが大切だね」 |
| 税理士 |
「そのとおりです。会社規模によって純資産価額と類似業種比準価額の組み合わせが変わってきますので、結果として打つべき対策も変わってきます。その意味で社長のおっしゃるとおり、自社がどの区分に属するかを把握することは大変重要です」 |