| 税理士 |
「社長。今日は、少し細かいご説明をさせて頂きます」 |
| 社長 |
「おお! いきなりのプレッシャーだね」 |
| 税理士 |
「(笑)。未上場株式の評価方法で、同族株主が保有する株式の評価方法については、『類似業種比準価額』と『純資産価額』があるということをご説明しましたが、今日は、『類似業種比準価額』について具体的にどのような算式で計算されるのかをご説明します」 |
| 社長 |
「算式と聞くとそれだけでうんざりしてしまうね(笑)。簡単に説明してよ」 |
| 税理士 |
「はい。そもそも、類似業種比準価額とは、その会社が上場していたらいくらの株価が付くかというアプローチで評価する方法でした」 |
| 社長 |
「そうだったよね。随分乱暴な評価方法だなあと思った記憶があるよ」 |
| 税理士 |
「具体的には、同じような事業を営む上場会社の株価をベースに、上場会社の配当、利益、純資産の3つの要素と評価会社の配当・利益・純資産の3つの要素を比較し合い、上場していたらいくらになるかという株価を計算します」 |
| 社長 |
「それを算式に表現するとどうなるのかという話だね」 |
| 税理士 |
「はい。いきなりですが、算式を示します」 |
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| 社長 |
「いやあ。ごめん! 分数はダメ! ギブアップだ!」 |
| 税理士 |
「(笑)。そうおっしゃらずに。1つ1つ算式を分解していきましょう。まず、算式のスタートは自社と同じような事業を営む上場会社の株価です。上場会社のデータは、国税庁のホームページで入手できます。具体的には、こちらをご覧ください」 |
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| 税理士 |
「図の右側にA(株価)とあり、月ごとに公表されているのが分かると思います。具体的には、課税時期(相続や贈与を行う日の属する月、その前月及びその前々月の株価と前年平均株価から一番低い株価を選択することができます」 |
| 社長 |
「なるほど。ということは4つの株価から一番低い株価を選択できるということだね」 |
| 税理士 |
「そういうことです。上場会社の株価が決まりましたら、次は算式の分子についてご説明します。複雑な算式に見えますが、要は上場会社の配当、利益、簿価純資産を分母に置き、評価会社の配当、利益、簿価純資産を分子に置くことで、上場会社の配当、利益、簿価純資産を1とした場合に評価会社の配当、利益、簿価純資産がどのくらいの比率になるかを計算しています。例えば、上場会社の配当が100円であるのに対して、評価会社の配当が70円であれば、評価会社は、上場会社に対して0.7の配当力ということになり、逆に評価会社の配当が120円であれば、1.2の配当力となります」 |
| 社長 |
「つまり、上場会社の配当、利益、簿価純資産に対して、評価会社の力がどのくらいかという比率を計算しているということだね」 |
| 税理士 |
「はい。配当、利益、簿価純資産の3つの比率を出しますが、利益だけは、その比率を3倍します。つまり、利益の要素を大変重要視しているわけです。結果として、配当、利益の3倍、簿価純資産の合計5つの比率が計算されますので、その5つの比率を5で割ることで、平均比率を計算します」 |
| 社長 |
「何だか複雑な算式に見えたけど、要は上場会社とのくらべっこをして、平均比率を計算しているだけなんだね。なるほど!」 |
| 税理士 |
「社長、ギブアップしなくて良かったでしょう? そして、計算された平均比率を上場会社の株価に乗じることで、仮に上場していたら株価がどのくらいになるかを計算します」 |
| 社長 |
「ところで、最後に乗じる斟酌率というのは?」 |
| 税理士 |
「はい。斟酌率は、最後の調整です。確かに株価の基本要素である配当、利益、簿価純資産を考慮して、上場していたらいくらかという株価を計算しますが、株価は、それらの要素だけで決まるものではありません。経営者の手腕や伝統、歴史、市場環境、地域性など様々な要素があるはずです。そこで、最後に0.5〜0.7までの斟酌率を乗じることで評価額の安全性を保っています」 |
| 社長 |
「そうだよね。しかも、実際には、上場していない訳だからね」 |
| 税理士 |
「はい。0.5〜0.7のどの率を乗じるかは、会社の規模により決まります。大会社は0.7、中会社は0.6、小会社は0.5をそれぞれ乗じます」 |
| 社長 |
「算式を見たときにはどうなることかと思ったけど、類似業種比準価額の計算の仕組みは掴めたよ」 |