| 社長 |
「会社を活用した納税資金の確保について色々と教えてもらったけど、会社を活用するにも会社にお金がないと何もできないよね」 |
| 税理士 |
「そうですね。そもそも、納税のために充分なお金があれば、会社に資産を買ってもらったり、金庫株制度を活用したりする必要はないですからね」 |
| 社長 |
「資金の確保と言う点で言えば、保険が有利とよく言われるけど、ちょっと整理して教えてもらえるかな」 |
| 税理士 |
「はい。万が一のことがあった場合に、まとまった資金が手に入る保険は、相続に有利と言われていますが、その理由はいたってシンプルです。まず、相続人の立場からすれば、親が亡くなって、相続税を払わなければならない場面で、まとまった死亡保険金が入ってくれば、大変有難いということになります。しかも、相続人が取得した保険金は、『500万円×法定相続人の数』の金額までは非課税です。現金で相続しても非課税はありませんが、同じ現金ですが保険金として支払われることで、税務上のメリットもあるということです」 |
| 社長 |
「なるほど。それに加えて、残された遺族の生活保障という観点もあるよね」 |
| 税理士 |
「そうですね。税金のメリットだけでなく、残された奥様やお子さんの生活保障としても大変重要です。商品によっては、保険金を年金で支払うように選択できるものもあります」 |
| 社長 |
「なるほど。確かに保険のメリットはシンプルなのかもしれないね」 |
| 税理士 |
「そうですね。ですから、保険の活用については、先ほどお話したシンプルなメリットを第一に考えて、商品を選択される方がいいと言えます」 |
| 社長 |
「とは言え、税務上の有利不利はあるんでしょう?」 |
| 税理士 |
「(笑)確かにおっしゃるとおりです。例えば、先ほどお話した保険金の支払われ方ですが、実は、年金形式で支払ってもらった方が、保険金に対する相続税評価は低くなります。例えば、保険金額1億円を一時払いで支払いを受けると当然1億円が相続税の対象ですが、1,000万円ずつ10年の年金で支払われる場合には、60%で評価されることになっていますので、6,000万円が相続税の対象となります」 |
| 社長 |
「それだけ違うんだねえ。他にも注意すべき点はないの?」 |
| 税理士 |
「そうですね。契約者と保険金受取人の関係には注意が必要です。契約者と保険金受取人の関係によって、保険金に対して課税される税金が異なります」 |
| 社長 |
「そうなんだ。あまり意識しないで契約を組んでいたけど…」 |
| 税理士 |
「例えば、父を被保険者として保険を契約する場合、契約者を父、保険金受取人を母とした場合には、父が亡くなって保険金が支払われた場合には、契約者である父が保険料を負担していますので、亡くなった父からの財産ということで相続税の対象になります」 |
| 社長 |
「それは、死亡保険金だもの、当然のように相続税の対象でしょう?」 |
| 税理士 |
「ところが、先ほどのケースで契約者が子である場合にはどうなるでしょう? 父の死亡により支払われる保険金であっても、子が保険料を負担していた保険金が母に支払われますので、子から母への贈与と考え、贈与税の対象になります。ご存知、贈与税には非課税はありませんし、税率も高いので大変な負担になってしまう場合があります」 |
| 社長 |
「なるほど。契約者として誰が保険料を払っていたかによって税金が違ってくるんだね。死亡保険金だから相続税という単純な話ではないということかあ。では、母が自ら契約者として保険料を負担していた場合はどうなの?」 |
| 税理士 |
「はい。母が自分で負担した保険料から保険金をもらう形になるので、所得税の対象になります。所得税の一時所得になり、(保険金額−支払った保険料−50万円)×1/2が税金の対象になります」 |
| 社長 |
「2分の1が税金の対象ということは、所得税も有利だね」 |
| 税理士 |
「そうですね。一般的には、相続税→所得税→贈与税の順に有利だといわれています。また、生前贈与を活用することで、効果的な相続税の財源準備を進めることも可能になります」 |
| 社長 |
「生前贈与で財源準備?」 |
| 税理士 |
「はい。ただ、親から子へ現金を贈与したのでは、贈与を受けた子が遊びに使ってしまうということになりかねません。しかし、子が親を被保険者とする保険に入り、親から子へ保険料相当額の現金の贈与を行い、その現金で保険料を支払う形にするのです。こうすれば、使われてしまう心配もありませんし、親にもしものことがあった場合には、保険金が支払われます。この場合、子が受け取った保険金に対しては所得税の課税対象ですので、税務上のメリットもあります。また、親から子への財産移転も図れますので、相続財産の軽減にもつながります」 |
| 社長 |
「なるほどねえ。今まで何気なく保険に加入していたけど、色々な角度から検討した上で、保険に加入しないといけないね」 |