| 社長 |
「新会社法がスタートして少し経過したけど、相変わらず新聞やニュースで騒がれているねえ」 |
| 税理士 |
「そうですね。でも、何をどのようにしたらいいのか悩まれている経営者の方が多いようです」 |
| 社長 |
「確かにねえ。あまりにたくさんの情報があるから、何をどうすべきか分からなくなってしまうんだよね。ところで、新会社法は、事業承継の分野にもインパクトを与えているんでしょう?」 |
| 税理士 |
「はい。新会社法には、いわゆる中堅中小企業の事業承継を後押しするための新しい仕組みが盛り込まれました」 |
| 社長 |
「ほう。少し説明してくれるかな」 |
| 税理士 |
「はい。まず、新会社法における会社の類型を整理しましょう。図をご覧下さい」 |
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旧商法
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新会社法
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公開会社 |
公開会社以外 |
| 株式会社 |
大会社 |
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| 大会社以外 |
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| 税理士 |
「従来の商法では、代表的な会社の類型として株式会社と有限会社があり、株式会社については、資本金や負債の額によって大会社、中会社、小会社に分かれていました。新会社法では、有限会社が廃止され、株式会社も大会社とそれ以外となりました」 |
| 社長 |
「それに加えて、公開会社とそれ以外という区分があるけど、これはいわゆる上場と非上場ということ?」 |
| 税理士 |
「いいえ。そうではなくて、株式の全部について譲渡制限、つまり売却する際には、会社にお伺いを立てなければならない会社かどうかということです。会社にお伺いを立てなければならない会社を公開会社以外、全ての株式を自由に売買できる会社を公開会社といいます」 |
| 社長 |
「そうなんだ。公開というからてっきり上場かと思ったよ」 |
| 税理士 |
「実は、この公開会社か公開会社でないかは、新会社法においては、大変重要です。日本の企業の多くが図の右下、つまり、公開会社でない会社で大会社以外となりますが、新会社法ではこれらの会社に自由度の高い経営を認めるようになりました」 |
| 社長 |
「その自由度の高い経営という中に事業承継に役立ちそうな仕組みがあるということ?」 |
| 税理士 |
「はい。そのとおりです。例えば、以前お話しましたが、相続により取得した株式についての金庫株制度は大変使い勝手の良いものになっています」 |
| 社長 |
「そうだったね。金庫株以外にどのような仕組みができたんだろう?」 |
| 税理士 |
「そうですねえ。一番注目度が高いのは種類株式の活用です」 |
| 社長 |
「種類株式? どんな株式なの?」 |
| 税理士 |
「株式を持った株主は、会社に対して権利を持つことになります。代表的な権利は、【1】配当を受け取る権利【2】解散時の残余財産を受け取る権利【3】議決権です。種類株式というのは、これらの権利について普通株式とは異なる株式をいいます」 |
| 社長 |
「株主の権利について差をつける株式ということだね」 |
| 税理士 |
「そのとおりです。代表例に議決権制限株式があります。議決権制限株式は【1】配当を受け取る権利【2】残余財産を受け取る権利はそのままだけど、【3】議決権だけは一定の制限があるという株式です」 |
| 社長 |
「ということは、配当さえもらえれば満足という株主にピッタリだね」 |
| 税理士 |
「無議決権株式といって、議決権については全く行使できなくしてしまうことも可能です」 |
| 社長 |
「そんなこともできるんだ。本当に自由度が増したね。ところで、"黄金株"というのを新聞やニュースで見たことがあるんだけど、あれも種類株式なのかなあ?」 |
| 税理士 |
「はい。黄金株というのは、拒否権付種類株式とも言いまして、会社の重要事項については、株主総会の決議の他に、黄金株を持つ株主の同意が必要という株式です」 |
| 社長 |
「ということは、株主総会で決まったことでも、黄金株の株主がダメと言ったらダメになってしまうわけだ」 |
| 税理士 |
「はい。その効力の大きさゆえに"黄金株"と言われています」 |
| 社長 |
「これらの種類株式が事業承継にどのように役に立つのかなあ」 |
| 税理士 |
「それについては、少し休憩を」 |