| 税理士 |
「社長。今日は、M&Aについて、お話させて頂こうと思います」 |
| 社長 |
「M&Aねえ。ここのところ、新聞やニュースで、M&Aや敵対的買収といった言葉がたくさん聞かれるよね。恥ずかしい話、今ひとつ内容が分からないんだけど…」 |
| 税理士 |
「そうですね。最近では、M&Aが世界的にも日本においても大変活発に行われています。中には、"敵対的"などというちょっと物騒な言葉まで使われています」 |
| 社長 |
「うん。企業と企業がくっつくんだろうなあということは何となく分かるんだ」 |
| 税理士 |
「そうです。M&Aは、合併を意味するMergerと買収を意味するAcquisitionのそれぞれ英語の頭文字をとったもので、簡単に言えば、会社の売買を意味します」 |
| 社長 |
「会社の売買ねえ。会社の経営権を示す物は、株式だから、その株式を売買すると言うこと?」 |
| 税理士 |
「はい。おっしゃるとおり、株式の売買もM&Aの一形態です。株式の売買は、至ってシンプルで、経営者が所有している株式を第三者に売却することです。最近騒がれているTOB(テイクオーバービット)も、株式の売買によるM&Aです。TOBとは、買いたい会社の株式を、『上場市場を通じて1株●●円で買いますので、売りたい株主は、是非応募して下さい』とアナウンスして買収を仕掛ける方法です」 |
| 社長 |
「なるほど。株式の売買は、M&Aの一形態なんだね。株式の売買以外の他の形態について具体的に教えてもらえるかな?」 |
| 税理士 |
「まずは、M&Aの"M"である合併について、お話します。合併は、複数の会社が1つの会社に統合することを意味します。通常は、買い手側が存続する会社となり、売り手側の会社は消滅します。次の図のようなイメージですね」 |
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| 社長 |
「なるほど。売り手であるB社株主は、B社がA社に統合される代わりにA社株式をもらって、合併後は、A社の株主になる訳だ」 |
| 税理士 |
「合併は、一番基本的な統合方法ですが、それぞれの企業文化や風土を尊重する日本の上場企業では、売り手側が消滅するということが表に出ないように合併後の会社の名称を変えたり、両者の名前を残して行われることが多いです」 |
| 社長 |
「なるほどねえ。合併の他に手段はあるの?」 |
| 税理士 |
「はい。色々と問題にはなりましたが、株式交換という手法もあります」 |
| 社長 |
「うん。随分と騒がれたよね。株式交換というくらいだから、株式を交換するんだろうけど…(苦笑)」 |
| 税理士 |
「はい。株式交換は、文字通り株式を交換する手法です。簡単に言えば、自社と他社の株式を交換して、親子会社関係を作る手法なんです。次の図のようなイメージです」 |
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| 社長 |
「売り手側のB社の株主は、B社株式をA社に渡して、その見返りにA社株式をもらう訳だ。ここが株式の交換だね。結果として、B社株式を手にしたA社は、B社の親会社になるということかあ」 |
| 税理士 |
「そういうことです。買い手側のA社にとっては、現金を調達することなく、自社の株で企業買収ができ、かつ、高い時価総額があれば、わずかな株式を買い手の株主に渡すだけで、企業買収できます。このことから、いわゆる新興企業が、高い時価総額を背景に、株式交換を積極的に活用し、企業買収を繰り返したという訳です」 |
| 社長 |
「なるほどねえ。『時価総額、時価総額』と騒がれたのは、このような背景もあるんだね。他に手法はあるの?」 |
| 税理士 |
「はい。ちょっと視点が変わりますが、会社の事業の一部を売買する手法もあります。その手法については、少し休憩を挟んでからにしましょう」 |