| 社長 |
「さて、合併や会社分割、株式交換などのM&Aの手法を活用することで、自社株式の評価額を引き下げることがあるという話だったけど、今日は、その辺りについて、少し詳しく聞かせてくれるかな」 |
| 税理士 |
「はい。このテーマは、かなり難しい話ですので、いつもより少しゆっくりお話しようと思います」 |
| 社長 |
「そんなことを聞くと、ちょっと気合が入るなあ」 |
| 税理士 |
「そうです。気合を入れて聞いて下さいね。まずは、合併についてお話します」 |
| 社長 |
「合併ねえ。合併は、2つ以上の会社が1つに統合されることを言うんだったね」 |
| 税理士 |
「おっしゃるとおりです。2つ以上の会社が1つになるということで、株価の引き下げ効果が得られる場合があります。例えば、次のようなケースを考えます」 |
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| 税理士 |
「このケースは、A社、B社ともに純資産価額よりも類似業種比準価額の方が低いにもかかわらず、会社規模が中会社の小であるために、株式の評価を計算する上で、類似業種比準価額が60%しか使えていないという状況です」 |
| 社長 |
「つまり、株式の評価上、できるだけ類似業種比準価額を使えた方が有利なわけだ。いやもっと言ってしまえば、類似業種比準価額のみで評価できれば良いわけだね」 |
| 税理士 |
「そういうことです。そこで、合併を活用します。A社とB社が合併することで、合併後の法人の規模は、大きくなりますよね?」 |
| 社長 |
「そうだよね。2つの会社が1つになるんだから、当然、会社の規模は大きくなるね」 |
| 税理士 |
「例えば、合併後の会社規模が大会社になったとしたら、株式の評価額はどうなりますか?」 |
| 社長 |
「そうかあ! 大会社の場合は、類似業種比準価額と純資産価額と比較して、いずれか低い方を選択できるから、類似業種比準価額を選択することが可能になるということかあ」 |
| 税理士 |
「そういうことです。合併後に純資産価額より類似業種比準価額が低くなるのであれば、会社規模を大きくすることで効果が見込めます。なお、話は少し逸れてしまいますが、この会社規模の変更という手法については、何も合併などと言う大掛かりなことをしなくても、効果が見込める場合があります。例えば、先ほどのケースで言えば、A社もB社も従業員数を100名にすることができれば、会社規模は大会社になりますので、両社とも類似業種比準価額を100%使うことができます」 |
| 社長 |
「会社規模が大きくなると株価が上がるように思うけど、類似業種比準価額が低い場合には、会社規模を大きくすることがそのまま株価の引き下げに繋がるんだねえ〜。何だか不思議だね(笑)」 |
| 税理士 |
「他にも会社の資産内容が株式や土地に偏っている特定会社について、合併を活用することで株価の引き下げを図ることも考えられます。特定会社に該当した場合には、株式の評価上、純資産価額しか使うことはできませんが、他の会社と合併することで会社の資産内容を変え、株式や土地の占める割合を低くすることで特定会社を外し、類似業種比準価額を活用するという方法も考えられます」 |
| 社長 |
「なるほど。合併には、会社の資産内容を変える効果もあるんだね」 |
| 税理士 |
「いくつかのアイデアをお話しましたが、いずれにしても、合併をすることでどのような効果が見込めるかを事前にしっかりシミュレーションした上で、実行することが大切です。合併した後に話が違うでは取り返しがつかないですからね」 |