| 社長 |
「さっき話をしてくれた不動産の購入の件だけど、個人の相続税に対しても有利に働く場合があると聞いたことがあるんだけど」 |
| 税理士 |
「そうですね。先ほど会社で購入した場合をご説明しましたが、あのケースと同じ理屈で個人で購入した場合でも、相続税に対して有利になる場合があります」 |
| 社長 |
「具体的に説明してもらえるかな」 |
| 税理士 |
「はい。では、先ほどと同じように10億円の借入金によって10億円の建物を購入した場合を考えましょう。そうしますと、次の図のようになります」 |
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| 社長 |
「うん。建物の相続税評価額は、購入価額の70%程度、つまり7億円程度で評価されるんだよね?」 |
| 税理士 |
「そのとおりです。相続財産は7億円ということになります。その上、借入金10億円については、相続税の計算上、債務控除でマイナスすることができます」 |
| 社長 |
「そうか! 借入金や葬式費用などは、相続税の計算上はマイナスできたものね。つまり、この図のケースは、他に財産などが無ければ、相続税は課税されないということになるよね」 |
| 税理士 |
「そういうことになります。他に財産があっても3億円分まではこのマイナスで打ち消されます」 |
| 社長 |
「なるほどねえ。ところで、図の右側…さっき(第35回)、会社で買った場合は3年後経過後となっていたけど、個人でも3年我慢する必要があるんだよね? 表現が違っているけど…」 |
| 税理士 |
「社長! 最近鋭いですねえ(笑)。実は、個人の場合は、3年我慢する必要はありません。購入後すぐに効果が見込めます」 |
| 社長 |
「そうなんだあ。すぐに効果が出るなんて、嬉しいねえ」 |
| 税理士 |
「さらにです! この建物を会社に貸し付けることで、建物の評価をさらに引き下げることが可能です」 |
| 社長 |
「ええ! 購入金額の70%からさらに下がるの!?」 |
| 税理士 |
「建物を会社に貸し付けることで、貸家として評価されます。貸家として評価されますと、相続税評価額はさらに30%マイナスされます。先ほどの図のケースであれば、7億円×(1−0.3)で4.9億円となります」 |
| 社長 |
「借入金との差がさらに大きくなるんだ。これは、凄いねえ」 |
| 税理士 |
「さらに、個人の土地に建物を建てて、会社に貸し付ければ、土地についても貸家建付地となり、自用地としての評価額から20%程度マイナスされます。その上、自分の経営している会社への貸し付けですので、小規模宅地等の減額の適用を受けることができ、さらに評価を引き下げることができる場合があります」 |
| 社長 |
「う〜ん。いいことばかりだね。会社で購入するより、個人の方が良いのかな?」 |
| 税理士 |
「一概にそうも言えません。繰り返しになってしまいますが、社長個人の相続税の現状把握に基づいて、会社で購入するのか、個人で購入するのかを検証することが必要です」 |
| 社長 |
「確かに、個人では借入金の条件なども厳しくなる場合があるかもしれないし、その借入金は、会社から支払ってもらう家賃で返済していくわけだからね。色々なことをトータルに判断して、検証する必要があるね」 |