| 税理士 |
「社長、新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します」 |
| 社長 |
「明けましておめでとうございます。今年も色々とお世話になります。さて、先日、新聞に税制改正のどうのこうのという記事が掲載されていたけど、何か新しい情報でもあるの?」 |
| 税理士 |
「はい。昨年の年末に平成19年度税制改正大綱というのが、与党から出されまして、平成19年度に予定されている税制改正が進められます。相続税や事業承継に関しては大きく2つの新しい改正が予定されています」 |
| 社長 |
「2つの新しい改正。少し具体的に説明してくれる?」 |
| 税理士 |
「はい。1つ目は、相続時精算課税制度に関する改正です。相続時精算課税制度って覚えていらっしゃいます?」 |
| 社長 |
「うん。贈与税の制度だったね。細かいことはちょっと…でも、2,500万円までの贈与は贈与税がかからず、将来、相続が発生した際に贈与した財産について相続税のかけ直しが行われるという制度だったよね?」 |
| 税理士 |
「そこまで覚えてらっしゃれば充分です。少々、補足すると65歳以上の親から20歳以上の子への贈与について認められている贈与で、この制度を選択した親子間の贈与については、一生涯で2,500万円までの贈与については、贈与税なしで贈与することができます。また、2,500万円を超えた場合であっても、一律20%の贈与税で済むという制度でした」 |
| 社長 |
「思い出したぞ。贈与した財産について、相続税のかけ直しがされる際には、相続時点の価値ではなく、贈与時点での価値で相続税のかけ直しが行われるんだよね? だから、将来に値上がりしていく財産については、有利になるということだった」 |
| 税理士 |
「そのとおりです。その相続時精算課税制度について、改正が行われます」 |
| 社長 |
「有利な改正? それとも不利な改正?」 |
| 税理士 |
「はい。有利な改正といえます。具体的には、未上場株式の贈与の場合には、通常65歳以上の親からの贈与でなければならないところを、60歳に引き下げ、加えて、2,500万円という贈与税の非課税枠を3,000万円に拡充するということになります」 |
| 社長 |
「親の年齢の要件が引き下げられ、非課税枠も広がるということかあ。うん、確かに有利な改正だね」 |
| 税理士 |
「はい。ただし、事業承継を円滑に進めるための改正ですので、要件があります。具体的には、贈与後4年を経過する時において、【1】当該受贈者が当該会社の発行済株式等の総数の50%超を所有し、かつ、議決権の50%超を有していること及び【2】当該受贈者が当該会社の代表者として当該会社の経営に従事していることが必要です」 |
| 社長 |
「つまり、会社の後継者への贈与についてのみということだね」 |
| 税理士 |
「そういうことですね。ですから、後継者が明確に決まっており、かつ、4年後には完全に権限委譲ができるという状態であることが前提です」 |
| 社長 |
「なるほど。本当に事業承継のために設けられたような改正だね。いつから可能なの?」 |
| 税理士 |
「はい。春の国会を通って、法律が施行されてからのお話ですが、平成19年1月1日以降の贈与について適用可能です」 |
| 社長 |
「もう1つの改正は?」 |
| 税理士 |
「はい。以前お話した種類株式の評価方法について、明確化されます。種類株式は覚えてらっしゃいますか?」 |
| 社長 |
「何だか今日は復習みたいだなあ(苦笑)。種類株式は、議決権を制限した株式だとか会社の重要事項について拒否する株式とかだよね?」 |
| 税理士 |
「そのとおりです。今回の改正で、これらの種類株式の相続税評価の方法について明確化されます。具体的な情報はまだございませんので、今後要注目です」 |
| 社長 |
「うん。新しい相続時精算課税制度は、検討の余地がありそうだね」 |