| 社長 |
「先日、ビルゲイツ夫妻が、3兆円を寄附して、財団を作ったなんていうニュースがあったよね? 凄い事だねえ。自分も何か社会に貢献したいけど…」 |
| 税理士 |
「そうですね。あのニュースは、私も大変驚きました。それに感銘される社長のお心は素晴らしいと思います」 |
| 社長 |
「日本でも、○○財団なんてよく耳にするから、設立は可能なんだよね?」 |
| 税理士 |
「はい。手続きは大変ですが、設立は可能です。また、財団を活用して相続対策と社会貢献を一度に行うこともできます」 |
| 社長 |
「そうなんだあ。社会貢献をしながら、相続対策もできるなんてハッピーだね。少し具体的に教えてくれる?」 |
| 税理士 |
「はい。財団法人は、民法34条に設立される公益法人で、文字通り、公益を目的とする法人です。一般的には、自社株式を財団法人の基本財産として寄附をして、財団法人を設立するというケースが一般的です。基本財産とは、財団法人の運営の根幹をなす財産であり、簡単に処分することが認められない財産です。自社株式を財団法人に寄附することで、社長から自社株式という財産が減少しますので、相続税が軽減される効果が得られます。併せて、基本財産は、簡単に処分できない財産ですので、安定株主対策にもなります。その上、財団を通じて社会貢献をすることができるというメリットがあります」 |
| 社長 |
「そういうことかあ。でも、未上場株である自社株だけを持っていても、財団の活動は難しいよね?」 |
| 税理士 |
「はい。ですから、一般的には、併せて現金も寄附することを求められます。また、毎期、きちんと配当を出し、財団活動の財源を確保することも重要です」 |
| 社長 |
「なるほど。いい話だから、一層のこと、自分の持っている株式を全部寄附しちゃったらどうなの?」 |
| 税理士 |
「実は、財団法人は、会社支配が認められないので、発行済株式総数の50%超を保有することはできません」 |
| 社長 |
「やっぱり…自分が考えるようなことは、ちゃんと歯止めがかかってるんだね(苦笑)。ところで、寄附する際には、税金の問題とかはないの?」 |
| 税理士 |
「寄附の方法には、2つあります。まずは、生前に財団を設立するために寄附する方法、または、設立された財団に寄附する方法です。税務上、法人に対する寄附が行われた場合には、時価で譲渡されたものとして課税されます。寄附ですから、相手から対価を受け取るわけでもないのに、時価で譲渡したものとして税金が発生するんです」 |
| 社長 |
「それは大変だ。じゃあ、簡単に寄附できないじゃない…」 |
| 税理士 |
「ところが、一定の要件を満たす公益法人に対する寄附は、非課税とされます。非課税とされるためには、公益法人が本当に公益性を有するかなど、様々な審査を経て、国税庁長官の承認を受けることが必要です」 |
| 社長 |
「税金を発生させないで寄附をするためには、きちんとした公益法人であることについて国税庁長官の承認が必要ということだね」 |
| 税理士 |
「そういうことです。もう1つの寄附のパターンは、オーナーが亡くなった段階で、遺族がオーナーから相続した自社株を寄附する方法です。この場合についても、一定要件を満たす公益法人に対する寄附であれば、その自社株については、相続税が非課税になります」 |
| 社長 |
「なるほど。きちんとした公益法人に対する寄附であれば、税金を発生させずに寄附ができるということだね」 |