| 税理士 |
「社長、今日は、少し観点を変えたお話です。さっそくですが、中小企業投資育成株式会社をご存知ですか?」 |
| 社長 |
「中小企業、育成…。初めて聞くけど、何だか企業を応援してくれるところであることは間違いなさそうだね」 |
| 税理士 |
「中小企業投資育成株式会社とは、その名のとおり、中小企業の健全な発展を支援することを目的として、設立されました。現在は、東京、名古屋、大阪に3社あります」 |
| 社長 |
「健全な発展を支援って、具体的には、どのようなことをしてくれるの?」 |
| 税理士 |
「はい。中小企業投資育成株式会社が中小企業に対して投資をし、株主となって支援します。投資を受ける中小企業側は、銀行借入以外の新たな資金調達の道が拓けます。中小企業投資育成株式会社が投資を行うことで、例えば、ベンチャーキャピタルなどの投資を受けるきっかけになる場合があります」 |
| 社長 |
「そうなんだ。でも、株主になるわけだから、それなりのことを要求されるんじゃない?」 |
| 税理士 |
「そうですね。まずは、定時株主総会などをきちんと行うこと、加えて、決算内容の詳細な説明などが要求されます。また、安定的な配当についても要求されるものと思って下さい」 |
| 社長 |
「そうだよね。ただただ、お金を出してくれるということはないものねえ」 |
| 税理士 |
「でも、捉え方によっては、外部の目が入ることで、いい意味で同族経営から脱却するきっかけになるかもしれません。決算の詳細説明のためには、財務の透明化が不可欠ですし、その結果、内部体制の強化にも繋がるでしょう。安定配当のためには、文字通り、会社の競争力を真剣に強化していかなければなりません」 |
| 社長 |
「同族経営だけでは、なかなか、甘えが出てしまうからねえ。でも、投資してもらうのは良いんだけど…第三者に転売なんかされちゃったら、大変だよね。その辺りはどうなのかね?」 |
| 税理士 |
「中小企業投資育成株式会社は、原則として、中長期の保有を前提として投資を行うため、基本的には安定株主です。その代わり、投資を行うか否かの判断は、過去の実績、事業計画書などを吟味して、慎重に決定されます」 |
| 社長 |
「なるほど。ところで、投資を受ける際の株式の発行価額はどのように決まるのかな?」 |
| 税理士 |
「実は、そこが今日のポイントなんです。中小企業投資育成株式会社に対して、新たに発行する株式の価額は、中小企業投資育成株式会社の評価要領に定める金額となり、税務上もその金額を認めています。具体的には、次のような計算を行って、新株式の発行価額を決めます」 |
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| 税理士 |
「この算式で計算された株価は、一般的には、相続税評価額よりも低く計算されます。その結果、オーナーの持株の評価額が下がる場合があります。例えば、次のようなケースです」 |
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| 社長 |
「なるほど。1株当たりの評価額が、既存の株式の評価額に比べて、低い場合には、1株当たりの価値が薄まって、結果として、オーナーの評価額が下がるということなんだね」 |
| 税理士 |
「色々なメリット・デメリットがありますので、慎重に判断すべきですが、このような制度があるということを知っておくことは重要であると思います」 |