| 社長 |
「先日、友人のところに相続税の税務調査が入ったという話があってね。調査官に色々と質問されて、大変だったと言う話を聞いたんだ。会社の法人税の調査は、定期的に行われて、何となく勝手が分かるけど、相続税は、人生でそう何度もないからね」 |
| 税理士 |
「そうですか。確かに、法人税の調査に比べると、その頻度は低いですよね。でも、相続税は、申告の件数自体が少ないですから、調査にヒットする確率も結構高いんですよ」 |
| 社長 |
「なるほどね。ところで、相続税の調査は、具体的にどのように行われるの?」 |
| 税理士 |
「はい。相続税の調査と言っても、会社の法人税の調査と同じように、一般的な場合には、事前に税務署から連絡があって、双方の日程を合わせて、調査となります。よほど悪質なケース以外は、概ねこのパターンです」 |
| 社長 |
「いわゆる、ガサ入れのようなことはないんだね。それで安心したよ…」 |
| 税理士 |
「ええ。映画のようなケースは、よっぽど悪質な場合ですよ(苦笑)。申告後1年から2年後ぐらいに調査が入るのが一般的です」 |
| 社長 |
「申告して、すぐに調査が入る訳ではないんだね。忘れた頃にやってくると感じだね」 |
| 税理士 |
「ええ。そうですね。相続の調査の場合、調査官は、事前に亡くなられた方と取引があった銀行や証券会社などを調べた上で、調査に来るケースがほとんどです。ですから、調査を受ける側も亡くなられた方の生前の資料をしっかり整理し、準備して調査に臨む必要があります」 |
| 社長 |
「申告した後も、しばらくは資料などを整理して、保管しておいて方がいいということだね」 |
| 税理士 |
「そのとおりです。調査の場面で、調査官が要求した資料がスムーズに出てくるのと、そうでないのとでは、調査官の心象も違ってきますからね。実際の調査は、調査官が最低でも2人ぐらい来て、まずは、亡くなった方の生い立ちや職業、亡くなられた時の状況などを雑談めいた形で聞かれます。その後、相続税の申告書に沿って、相続財産について、具体的に質問されます。一般的な傾向としては、財産の評価額そのものというよりも、生前の財産の流れや亡くなった方の財産と相続人の財産との区分などを綿密に調査されます」 |
| 社長 |
「亡くなった方の財産と相続人の財産の区分…?」 |
| 税理士 |
「はい。分かり易いのは、名義預金です。名義預金とは、亡くなられた方が子供名義や孫名義で通帳を作成し、継続的に貯金をしている、その預金をいいます」 |
| 社長 |
「それってダメなことなの?」 |
| 税理士 |
「そうですね。あくまでも、お金の出しては亡くなられた方であって、子供や孫には、そのお金を貰ったと言う意識がない場合には、亡くなられた方から子供や孫に対する贈与も成立していませんので、その預金は、名義は子供や孫であっても、亡くなられた方の財産だと判断されてしまいます。これを防ぐためには、贈与が成立していること、つまり、子供や孫が亡くなられた方から預金の贈与を受けたという状況を作ります。そのためには、子供や孫が亡くなられた方から預金の贈与を受けたんだと言う認識、預金通帳や印鑑の管理は、実際に子供や孫が行うこと、贈与に際して、少額でも贈与税の申告をし、贈与税を納めておくことなどが考えられます」 |
| 社長 |
「なるほど。親子、孫の関係であっても、贈与は贈与として、きちんとしておかないといけないということだね」 |