| 社長 |
「LLPの3つのウリのうち、残るは『内部自治原則』だね?」 |
| 税理士 |
「そうですね」
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| 社長 |
「LLPでの損益分配などの決め事を自由に決めて良いというようなことだったね」 |
| 税理士 |
「基本的にはそうです。株式会社の場合、原則として取締役会や株主総会などを設置することが必要とされていますので、会社の意思決定について外部からのチェックが働きやすい仕組みになっています。一方、LLPは、組合員がある程度自由に運営できる内部自治が担保されていますので、LLPの業務運営について、外部からのチェック機能が働きにくいという側面があります。つまり、内部自治をいいことに、いい加減な運営をされてしまっては、LLPの取引先や債権者などのリスクが大きくなってしまい、その結果、LLPとの取引は怖くてできないなどということになりかねなません。このため、LLPの業務運営の透明性を確保するために、内部自治に一定の規制を置くことで、LLPの取引先や債権者の保護を図っています」 |
| 社長 |
「前回、説明したもらった有限責任についても、同じような考え方があったけど、内部自治についても、有限責任と同じように、取引先や債権者保護とのバランスを取る仕組みになっているんだね」 |
| 税理士 |
「そうですね。社長のおっしゃるとおり、取引先や債権者保護とのバランスを保つために、いくつかのルールが決まっています。まず、LLPの業務運営に関するルールです。慎重、かつ、責任のある意思決定を促すために、LLPは、原則として、業務執行を行う際には、総組合員の同意が必要とされています。ただし、『重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財』以外の事項を決定する場合には、組合契約書において総組合員の同意を要しない旨の定めをすることができます。また、『重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財』についても、経済産業省令で定めるものについては、組合契約書において、2/3以上の同意があればOKという定めにすることが可能です」 |
| 社長 |
「つまり、総組合員の同意が必要だけれども、組合契約書に別段の定めがあれば、総組合員の同意までは必要なく、例えば、組合員の過半数の同意でOKとすることもできる。ただ、その例外として『重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財』については、その相手先やLLPに与えるインパクトを考慮して最低でも2/3以上の同意が必要となっている。こういう整理でいいのかな?」 |
| 税理士 |
「そのとおりです。全ての業務執行について、総組合員の同意が必要としてしまっては、LLPの運営に機動力がなくなってしまいますし、運営がしづらくなってしまうので、組合契約書に定めを置くことで、業務執行の決定に柔軟性を持たせています」 |
| 社長 |
「組合契約書に別段の定めを置けば、ある程度、柔軟な組織運営が可能ということだね」 |
| 税理士 |
「はい。ただし、あくまでも業務執行の決定は、原則として総組合員の同意が必要であり、さらに、LLP法では、『組合員は、※業務執行の決定に基づき、組合業務を執行する権利を有し、義務を負う』(下線部、筆者記載)とされています。つまり、業務執行の決定を他の組合員に委任することは認められず、全組合員が業務執行の決定に関与しなければならない仕組みとなっています。これにより、お金だけを出す組合員の存在は認められないことになります」 |
| 社長 |
「なるほど。組合業務を進めていく過程においては、全組合員の関与が必要であり、かつ、その後の業務執行の義務も負い、責任も負うということだから、前回、有限責任のときにも教えてもらったように、組合員同士のコミュニケーションや信頼関係が重要なんだね。ところで、業務執行とはどのようなことをいうのかな?」 |
| 税理士 |
「そうですね。例えば、第三者との契約の締結といったLLPとしての法律行為や事業内容の策定、使用人の雇用、監督、その他組合事業における重要項目の決定などが挙げられます」 |
| 社長 |
「組合員全員が契約締結などの業務執行に関与し、組合業務の責任を負う仕組みにすることで共同事業性を確保しているんだね」 |