| 社長 |
「LLPは、各組合員に損益を分配するわけだから、LLPがどのくらい利益を出したのか、または、損失を出したのかという点が非常に重要だと思うんだけど、LLPも決算を組むんだよね? 具体的な手続きについて教えてくれるかな?」 |
| 税理士 |
「はい。社長のおっしゃるとおり、LLPも、会社と同様に、組合員への損益分配のため、組合債権者への情報開示のために決算を行います。決算手続の内容としては、大きく、会計帳簿の作成と財務諸表の作成に分けることができます」
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| 社長 |
「財務諸表は、いわゆる貸借対照表、損益計算書、附属明細書といった計算書類だよね? 会計帳簿というのは、総勘定元帳のようなイメージかな?」 |
| 税理士 |
「もちろん、正確な財務諸表を作るためには、総勘定元帳を作成することが必要ですが、ここで言っている会計帳簿とは、総勘定元帳とは少し違います。LLPにおいて、会計帳簿とは、分かりやすく言えば、貸借対照表や損益計算書の組合員別内訳や組合財産の分配があった場合には、分配額の組合員別の内訳だと思って下さい」 |
| 社長 |
「組合員別の内訳かあ。つまり、会計帳簿を見れば、貸借対照表や損益計算書のうち自分の分がわかるということだ」 |
| 税理士 |
「はい。組合員にとって、LLPの貸借対照表や損益計算書のうちの自分の分、つまり、組合員ごとの内訳は、非常に重要な情報なので、LLPに動きがある都度、組合員は会計帳簿を作成しなければならないとされています」 |
| 社長 |
「LLPに動きがある都度とは、具体的にどのような場面だろう?」 |
| 税理士 |
「はい。まず、LLPが成立したときや組合員の加入及び新たな出資があったときは、会計帳簿を作成し、その写しを各組合員に速やかに交付しなければなりません。また、LLPの事業年度が終了したときや組合員間の損益分配比率が変わったとき、組合員の脱退があったとき、組合財産の分配があったときは、それぞれの日から2ヶ月以内に会計帳簿を作成し、その写しを組合員に交付しなければなりません」 |
| 社長 |
「なるほど。どれも組合員に影響が及ぶ場面ばかりだね。ところで会計帳簿を作成するためのルールはあるの?」 |
| 税理士 |
「はい。LLPの会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとされています。つまり、会社の会計処理と同じように、会計データを処理し、作成しなさいということです」 |
| 社長 |
「その会計のルールに従って、LLPの財務諸表も作成されるわけだね」 |
| 税理士 |
「はい。組合員は、組合の成立後、速やかに貸借対照表を作成しなければなりません。また、LLPの事業年度経過後2ヶ月以内に貸借対照表、損益計算書及び附属明細書を作成しなければなりません」 |
| 社長 |
「これらの財務諸表については、例えば、LLPの債権者に対して開示したりしないといけないのかな?」 |
| 税理士 |
「これらの財務諸表は、10年間、LLPの主たる事務所に備え置かなければなりません。そして、LLPの債権者は、LLPの営業時間内であれば、いつでも作成した日から5年以内の財務諸表について閲覧及び写しの請求をすることができます」 |
| 社長 |
「ところで、財務諸表を作成しても、LLPは組合であり、構成員課税だから、LLPの財務諸表を税務署に提出する必要はないんだよね?」 |
| 税理士 |
「はい。ただし、LLPの会計帳簿を作成した組合員は、LLPの事業年度終了の日の属する年の翌年1月31日までに組合員ごとに『各組合員の所得に関する計算書』を税務署に提出しなければなりません。いわゆる、支払調書のようなものです」 |
| 社長 |
「そうか。組合員ごとのLLPに係る所得を提出させることで、税金の取り漏れを防いでいるというわけだね。うまくできているね」 |