| 社長 |
「例えば、LLPの事業が軌道に乗って、新たに組合員を増やしたいというような場合には、組合員の新規加入は可能なのかな? 可能だとすれば、どのような手続が必要なんだろう?」 |
| 税理士 |
「もちろん、組合員の新規加入は可能です。LLPは、各組合員の能力や個性が重要視される組織体ですので、組合員の新規加入については、既存組合員の同意が必要になります」
|
| 社長 |
「なるほど、LLPは、組合員間のコミュニケーションや連帯感が大切な組織だから、組合員の新規加入については、既存の組合員全員が納得しないといけないんだね。では、逆にLLPから組合員が脱退することは認められているの?」 |
| 税理士 |
「組合員の脱退については、組合員の意志に基づく任意脱退と組合員の意思によらない法定脱退に分けることができます。最初に組合員の意志に基づく任意脱退についてお話します。LLPは、組合員全員による共同事業性をベースにした事業体であり、各組合員が自分の都合の良いときに好き勝手に脱退することを認めてしまうと、共同事業性が担保されなくなることから、組合員の脱退については、やむを得ない場合に限って認められます」 |
| 社長 |
「やむを得ない場合? 例えば、どのような場合をいうのかな?」 |
| 税理士 |
「はい。例えば、LLPの事業が大幅に変更され、ある組合員の共同事業への参画が困難になってしまった場合や、組合員間に深刻な対立が生じ、共同事業を営むことが困難になったしまった場合などが考えられます」 |
| 社長 |
「う〜ん。共同事業の継続が困難になってしまった場合に組合員の脱退が認められるということか」 |
| 税理士 |
「実際、組合員が脱退する際には、組合財産の払戻しが行われ、組合財産の減少につながり、LLPの債権者や取引先に影響を及ぼすという観点からもLLPからの組合員の脱退には、一定のハードルを設けていると言えます」 |
| 社長 |
「では、組合員の意思によらない法定脱退についてはどうなのかな?」 |
| 税理士 |
「はい。法定脱退というのは、LLP法に定められている脱退原因で【1】死亡【2】破産手続開始の決定を受けたこと【3】後見開始の審判を受けたこと【4】除名の4つがあります。【1】死亡は、文字通り、組合員が自然人である場合に、組合員が死亡した場合には、当然に脱退となります。また、組合員について、【2】破産手続開始の決定があったり、【3】後見開始の審判を受けた場合には、他の組合員に対して不利益を与える可能性があることから、その組合員は脱退となります。【4】の除名は、組合員の資格を取り上げることを意味します。LLPでは組合員が職務の執行を怠った場合やその他正当な理由がある場合には、他の組合員の一致によって組合員を除名することができます。除名された組合員は脱退となります」 |
| 社長 |
「さっき、組合員が脱退した場合には、組合財産の払戻しが行われるという話だったけど、その払戻しについて、少し教えてもらえる?」 |
| 税理士 |
「はい。組合員がLLPから脱退した場合には、組合員と組合財産の精算を行う必要があります。これを払戻しといいます。具体的には、脱退する組合員の組合財産に対する持分を計算して払戻しを行います。組合財産を計算した結果、組合の資産が組合の負債を超える場合には、払戻しが行われます。なお、この払戻しは、組合員が現金以外の資産を現物出資している場合であっても、現金で行うことが可能です」 |
| 社長 |
「逆に組合の資産が組合の負債よりも少ない場合には、つまり、欠損の場合には、払戻しは行われないということ?」 |
| 税理士 |
「はい。その上、LLPは有限責任ですから、欠損分を埋め合わせるために、追加で払い込む必要もありません。出資した金額にのみ責任を負うことになります」 |
| 社長 |
「なるほど。まあ、脱退する際には、色々なハードルがあるということだね」 |