| 社長 |
「実際にLLCを設立する場合には、どのような手順や手続が必要なのかな?」 |
| 税理士 |
「はい。LLCは、合同会社ですので、基本的には株式会社を設立するための手続と同じような手続が必要です」
|
| 社長 |
「株式会社の場合は、簡単に言えば、定款を作って、資本金を払い込んで、登記をするという手順を踏むよね? その流れと同じような手続を踏めばいいということ?」 |
| 税理士 |
「そうなります。LLCの場合は、まず、LLCの社員になる者、つまり出資者が定款を作成し、社員になる者全員が署名します」 |
| 社長 |
「LLPで言えば、組合契約書だね。組織運営の憲法を社員全員で決めなさいということだ」 |
| 税理士 |
「そのとおりです。実際、定款には、【1】目的【2】商号【3】本店の所在地【4】社員の氏名又は名称及び住所【5】社員の全部を有限責任社員とする旨【6】社員の出資の目的及びその価額又は評価を記載しなければなりません。すなわち、これらの項目は、定款に必ず定めを置かなければならない絶対的記載事項となります」 |
| 社長 |
「LLPと同様に、社員同士でLLCの根っこのところをきちんと決めなさいということなんだね」 |
| 税理士 |
「そうですね。絶対的記載事項のほかに、社員の任意で定款の定めを置くこともできます。例えば、LLCでは、業務執行社員を決めることができます。LLPでは、組合員全員が業務を執行することを原則としていました。LLCも原則として社員全員が業務を執行しなければならないことになっていますが、定款に定めることで、業務執行社員を決めることができます。業務執行社員は、文字通り、LLCの業務の中心となる社員です」 |
| 社長 |
「ということは、LLPでは認められなかった口だけの社員が認められるということ?」 |
| 税理士 |
「そうですね。業務執行社員にLLCの経営を事実上委任しているという社員が存在することも考えられます。また、業務執行社員は原則としてLLCを代表することになりますので、その意味では、株式会社の代表取締役に近い存在となります。ただし、業務執行社員を複数定めることも可能ですし、その場合には、複数の業務執行社員を定めた場合には、定款に特別な定めを置く場合を除き、過半数で業務運営を行っていきます」 |
| 社長 |
「なるほど。LLPの場合には、原則組合員の同意が必要だったから、その点を考えれば、LLCの方が経営の機動性がありそうだね」 |
| 税理士 |
「そうですね。ただ、業務執行社員以外の社員も有限責任を負うことに違いはありませんので、業務執行社員を定める場合であっても、LLCの業務のうち、どこまでの業務を業務執行社員に任せるかなど細かな部分について、きちんと定款で定めておくことが重要だと思います」 |
| 社長 |
「なるほど。業務執行社員に暴走されて上に、責任を負うことになっては困るからね。その意味では、業務執行社員を置く場合には、株式会社のような報告体制のようなものが必要なのかもね」 |
| 税理士 |
「そうですね。例えば、定款でLLCを代表する社員と業務執行社員を別々に定めたりすることも可能です。このような組織にすれば、業務執行社員はLLCを代表しませんから、業務執行社員が重要な契約等を締結しようと場合には、LLCを代表する者のチェックを入れられます」 |
| 社長 |
「定款を作成した後の手続は、どのなるの?」 |
| 税理士 |
「はい。LLP同様に、社員はLLCに対して出資の払い込みを行います。有限責任ですので、金銭やその他の財産での出資しか認められません。また、定款に定めた出資金の全額を払い込まなければなりません」 |
| 社長 |
「このあたりは、LLPと同じだね」 |
| 税理士 |
「そうですね。そして、出資の払い込みが済みますと、LLCに対外的な効力を持たせるために、本店所在地を登記します。登記しなければ、当然のことながら第三者に対する対抗要件を生じません」 |
| 社長 |
「なるほど。定款を定め、出資を払い込み、登記が完了して、LLCがスタートとなるわけだ」 |
| 税理士 |
「整理をするとそうなりますね」 |