| 社長 |
「個人組合員の税務上の取り扱いについては、だいたい整理できたけど、一方で法人が組合員になるケースもあるよね。具体的に違いなどはあるの?」 |
| 税理士 |
「そうですね。基本的には個人組合員も法人組合員も同じではあるのですが、個人組合員の場合には、LLPから配分された所得がどのような所得なのかによって、不動産所得や事業所得に区分して確定申告を行うことになりますが、法人組合員の場合にはそもそも所得を区分するという考え方がありませんので、LLPから配分を受けた金額をそのまま法人の売上、経費として計算を行うことになります」
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| 社長 |
「LLPの損益の帰属の時期も個人と同じということでいいの?」 |
| 税理士 |
「そうですね。LLPの計算期間と法人組合員の事業年度がずれてしまっている場合には、LLPの決算日を含む法人の事業年度の損益として計算します」 |
| 社長 |
「ということは、個人組合員とほとんど同じということだね」 |
| 税理士 |
「とは言え、注意しなければならない点もあります。まず、LLPの損益の取り込み方です」 |
| 社長 |
「LLPの損益の取り込み方は、3種類あったよね? 総額法と中間法と純額法だったかな」 |
| 税理士 |
「そうですね。法人の場合には、色々な特例がありますので、その特例を考慮すると総額法で取り込む方が一般的には有利になります。例えば、LLPが上場株式を保有し、配当金を受け取ったケースを考えます。法人税には、上場株式を受け取った場合には、一定の範囲でその受取配当金を売上としない、つまり益金としないという特例があります。これを『受取配当等の益金不算入』といいます。LLPの利益や損失のみを取り込む純額法の場合には、LLPが受け取った配当金の額が分かりませんので、結果として『受取配当等の益金不算入』を受けることができません」 |
| 社長 |
「なるほど。LLPの損益の詳細が分からないと受けられる特例も受けられないということか」 |
| 税理士 |
「その一方で、交際費や寄付金の一部を経費にしないという交際費等の損金不算入や寄付金の損金不算入については、LLPの経費の明細が分からない純額法であっても、経費にならない金額を計算し、申告しなければなりません」 |
| 社長 |
「へえ〜。益金にしませんよという納税者にとって有利な特例は受けられないけど、損金にしませんよという納税者にとって不利な決まりは、計算しなければならないということかあ。何だかバランスが取れていないようだけど、仕方ないね」 |
| 税理士 |
「(笑)他にも、資産に関する特例も注意が必要です。例えば、売掛金などの債権がある場合、一定額の貸倒引当金の計上が認められますが、LLPの貸借対照表を取り込まない中間法や純額法の場合には、先ほどと同じ理屈で、LLPの資産の明細が分かりませんので、貸倒引当金を計上することは認められません」 |
| 社長 |
「ということは、LLPの損益計算書、貸借対照表を丸ごと取り込む総額法が一番確実な方法ということだね」 |
| 税理士 |
「そうですね。納税者にとって有利な特例を受けるためには、総額法で取り込むのが確実です」 |
| 社長 |
「赤字の取り込みについては、何かあるの?」 |
| 税理士 |
「基本的には、個人組合員と同じです。つまり、組合への出資金額をベースに計算した調整出資金額までの赤字の取り込みが認められます。ただし、個人組合員の場合と違うところがあります」 |
| 社長 |
「また、納税者に不利な取り扱いなの?」 |
| 税理士 |
「そうではないんです。赤字が余ってしまった場合の取り扱いなのですが、個人組合員の場合には、赤字が余ってしまっても、その年で切り捨てというルールになってします。例えば、LLPから配分された赤字が100万円で他の所得、例えば、給与所得が70万円ですと、LLPの赤字と給与所得を損益通算しても、LLPの赤字が30万円余ってしまいますが、これはそれっきりということになります」 |
| 社長 |
「なるほど。翌年の黒字と相殺できないということだね」 |
| 税理士 |
「ところが、法人組合員の場合には、LLPの赤字が余った場合には、翌期以降にに繰り越すことができます。つまり、LLPに赤字が生じた事業年度以後の事業年度においてLLPに黒字が生じた場合には、繰り越した赤字と相殺することができます」 |
| 社長 |
「LLPが赤字になった場合には、個人組合員と法人組合員では大きな違いがあるということだね」 |