| 社長 |
「説明してもらったとおり、LLPの組合員の税金の取扱いは、パススルー課税、つまりトンネルというところに特徴があるということが良く分かったけど、LLCの場合はどうなの?」 |
| 税理士 |
「はい。LLCの特徴の際に少し説明しましたが、LLCの"C"は、Company。つまり、会社を意味しますので、課税上は会社として取り扱われます」
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| 社長 |
「うん。LLCの特徴のときに話してもらったけど、LLPと違ってトンネルという扱いにはならないということだったよね?」 |
| 税理士 |
「そうですね。LLCの根拠法である会社法では、LLCは、合同会社という名称ですので、やはり、"会社"なんですね」 |
| 社長 |
「会社となるとLLPのようにトンネルにはならないのはなぜなの?」 |
| 税理士 |
「はい。その理由は、日本の法人税法の考え方にあります。日本の法人税法は、納税義務者を原則として法人格を持つものと考えています。ですから、会社の場合、登記され、法人格を有することになりますので、いくら新しい仕組みのLLCとは言え、会社である以上は、例外なく法人税の納税義務者とするということなんです。会社以外にも、財団法人や医療法人も法人格を有しますから、法人税の範囲で課税を考えることになります」 |
| 社長 |
「なるほど。法人税は法人に課税するという考え方をそのまま当てはめたら、LLCも会社である以上、法人税を納めなければならないということだね。ところで、先ほどから日本の法人税と説明してくれるけど、何か意味があるの?」 |
| 税理士 |
「鋭いですねえ。LLCの税務上の取扱いについては、アメリカの税制が特徴的です。アメリカの場合、LLCについては、チェック・ザ・ボックスという方式を採用しています。チェック・ザ・ボックスとは、LLCが、自ら納税義務者となるかLLPのようなパススルー課税かを選択できる方式をいいます。アメリカでLLCが爆発的に増加した大きな要因がこのチェック・ザ・ボックス方式であると言われています」 |
| 社長 |
「自ら法人税を納める方式とパススルー方式を選べるなんて、画期的だねえ。さすがアメリカという感じがするよ。日本もそのような方式を検討すればいいのにねえ」 |
| 税理士 |
「日本の場合も、LLCにパススルー課税が導入されるべく議論が進められてきました。しかしながら、先ほどの法人税法の考え方からLLCにパススルー課税が認められない方向になり、経済産業省主導でLLPが法制化されたという経緯があります。現在でも、財界、実業界を中心にLLCの普及にはパススルー課税の導入が不可欠という声が上がっており、税制改正が行われる可能性がないわけではありません。ただし、そのためには、法人には法人税を課税するという法人税の根本を見直す作業が必要となりますので、すぐにというわけにはいかないと思います」 |
| 社長 |
「なるほどね。確かにパススルー課税は、企業にとっても個人にとってもメリットが大きいからね。ところで、LLCにおける税務上の取扱いだけど、一般の会社と同じように決算を組んで、法人税を計算するということでいいんだよね?」 |
| 税理士 |
「そういうことです。また、消費税についてもLLC自体で計算をすることになりますし、固定資産税などもLLCが納付することになります」 |
| 社長 |
「何だか、税務面だけを考えると、LLPの方がメリットがあるように感じるね」 |
| 税理士 |
「とはいえ、LLCは法人格を持った会社ですから、他の会社と合併したり、他の会社から事業の分割を受けたりと会社ならではの組織再編行為をすることができますので、LLPにするかLLCで行くかは、事業の目的や目指す規模などから総合的に判断すべきと思います
う〜ん…『思われます』が多くて、珍しく歯切れが悪いねえ〜(笑)」 |
| 社長 |
「では、例えば、LLPでスタートして途中でLLCに変えたり、その逆にLLCでスタートしてLLPに変えたりすることは可能なの?」 |
| 税理士 |
「それは、残念ながらできません。それぞれを解散して、新しく設立するしか方法はありません」 |
| 社長 |
「なるほど。であれば、LLCかLLPかは、慎重に判断してスタートすべきだね」 |