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日本版LLP/LLCのすゝめ!
第1回 LLP/LLCとは?
第2回 LLPの設立手続
第3回 LLPの活用例
第4回 LLPの特色 その1 有限責任
第5回 LLPの特色 その2 パス・スルー課税(構成員課税)
第6回 LLPの特色 その3 内部自治原則
第7回 LLPによる契約行為・登記
第8回 LLPの損益分配割合
第9回 LLPの財産分配
第10回 LLPの会計
第11回 組合員の加入・脱退
第12回 LLPの解散
第13回 LLCとは
第14回 LLCの設立手続
第15回 LLCの活用方法
第16回 LLCと社員の関係
第17回 LLCの解散
第18回 LLPの税務
第19回 個人組合員の税務 その1
第20回 個人組合員の税務 その2
第21回 法人組合員の税務 その1
第22回 LLPの消費税・固定資産税
第23回 LLCの税務
第24回 LLP・LLCの最新情報 new
■LLP・LLCの最新情報[連載第24回]
社長 「さて、LLP、LLCの特徴についてたくさん教えてもらったけど、実際のところ、世間では、どのように活用されているのか、大変興味のあるところなんだけど」
税理士 「そうですね。LLPは昨年の8月にスタートし、LLCは今年の5月にスタートしましたが、既に様々な活用の仕方が見られます。まず、LLPですが、やはり、【1】有限責任【2】内部自治【3】パススルー課税というLLPの3つの特徴を生かした業態が多いようです。経済産業省の調べによると2005年末で362件の設立があるようですが、公認会計士や税理士、中小企業診断士などが集まって、コンサルティング業務を展開している形態が一番多いようです。ちなみに、私も友人とコンサルティングを目的としたLLPを立ち上げています」
社長 「ほお〜。なぜ、そのような形態が多いんだろう?」
税理士 「はい。それは、先ほど申し上げた3つの特徴が生きるからです。公認会計士や税理士には、組織的な活動を行う場として監査法人や税理士法人といったものが用意されているのですが、それらの組織形態は無限責任なんですね。つまり、仲間の誰かが大きなミスをしてしまった場合には、仲間全員に責任があるという考え方なんです。ですから、なかなか気軽に設立できません。一方で、コンサルティング業務を展開する場合は、1人より2人の方がアイデアや実行力が備わるのも事実ですので、何人かでコンサルティングを展開する場合は、有限責任であるLLPがフィットするんです」
社長 「なるほどね。君が密かにLLPを立ち上げていたとは知らなかったよ(笑)。どうりで詳しい訳だね」
税理士 「(苦笑)何事も身をもって経験するのが一番ですからね。ところで、LLPについては、コンサルティングの分野以外でも、様々な活用例があります。例えば、大企業での活用例として、"Suica"が挙げられます」
社長 「Suicaって、あの、切符を買わなくても駅の改札を通れるあれだよね?」
税理士 「はい。Suicaについている電子マネーの機能を普及させるために、JR東日本、NTTドコモ、NTTデータの3社がLLPを設立しました。3社は、LLPを通じて電子マネーの加入企業に対してSuicaの読み取り機を設置するための費用を提供し、加入企業の負担を少なくすることで、加入企業を増やします。その後、Suicaの決済手数料が加入企業からLLPに支払われ、損益分配割合に応じて、3社がLLPから損益分配を受けるという仕組みです。このケースもやはり、有限責任と損益分配を自由に決めることができる内部自治、さらに加入企業に資金提供をしていく初期の段階は赤字が見込まれるのでしょうから、その赤字を各社で取り込むことができるパススルー課税も魅力だったのだと思われます」
社長 「いつの間にか、大企業も活用しているなんてねえ」
税理士 「大企業ばかりではありません。長野の善光寺、ご存知ですよね。その"善光寺"ブランドを使って土産物などを製造、販売している中小企業がLLPを設立し、各社共同での商品開発や店舗運営などを行っています。加えて、クレームの共有化や商品の欠点改善などもLLPを通じて行うことで"善光寺"ブランドにふさわしい品質維持を図ることも目的としています」
社長 「なるほど。ブランドの維持かあ。LLPという組織に参加することで、お互いの結びつきも強くなるよね」
税理士 「他にも、"さっぽろ雪まつり"にも、LLPが絡んでいます。雪まつりの会場での観光ガイドや通訳などの活動に当たるなど、雪まつりを市民の立場から盛り上げることを目的にLLPが作られています。会員は3,000名程度で会費収入での運営を基本としながら、特製のウインドブレーカーなどを販売し、その売上などで利益を確保していく予定だそうです。雪まつりのマンネリ化に危機感を持った代表が一種の街おこしを目的にLLPをスタートしたという例です」
社長 「色々と活用されているんだねえ。しかも、先ほどのSuicaといい、雪まつりといい身近なところから活用されているんだねえ。ところで、スタートしたばかりのLLCはどうなの?」
税理士 「はい。LLCは確かにスタートしたばかりですので、あまり情報はないのですが、フジテレビが、個人が制作した動画をインターネットを通じて配信するサイトをLLCで運営すると発表しました。IT系の企業と共同でLLCを設立してスタートするようです」
社長 「LLPではなく、LLCなんだね」
税理士 「そうですね。LLPの場合は、組合員全員が経営に参加しなければなりませんので、ある程度のお金は出すけども、実際の実務は、他の組合員にお願いしたいという形態はとりにくいんですね。ところがLLCであれば、会社ですから、フジテレビがある程度のお金を出し、LLCに信用を付け、経営も管理するが、実務は、IT系の企業にお任せ、という形態を取りやすいんだと思います」
社長 「なるほど。その意味でLLCは活用しやすいんだね」
税理士 「色々とご説明してきましたが、LLP、LLCについては、とりあえず、ここで一段落させて頂きたいと思います。LLPもLLCもスタートしたばかりですの、まだ、実務での取り扱いなど、特に税金の面ですが、見えていない部分も多いんですね。今後、少しずつ見えてくる部分もあると思いますので、その際に、改めてお話させて頂きます」
社長 「うん。ありがとう。新しい制度について、色々とためになる話が聞けたよ。さて、どう活用するかだね。アイデアが出てきたら、内緒でLLPを立ち上げていた君に改めて相談するよ」
税理士 「(苦笑)そうですね。是非お手伝いさせてください」
編集後記
 長い間、"日本版LLP/LLCのすゝめ!"をお読み頂きましてありがとうございました。
 LLP、LLCについては、ここで一旦区切りとさせて頂きます。
 限られた情報の中でしたので、一部中途半端な部分もありましたが、今後、実務的な取り扱いや情報が明らかになるものと思われますので、その際には、臨時号などの形態でホームページなどで情報提供させて頂こうと考えています。
 このメルマガを通じて、LLP。LLCに少しでも興味をお持ち頂き、知って頂き、自ら、起業される機会がありましたら、LLP、LLCを選択肢の一つとしてご検討頂ければ幸いです。
 長い間ありがとうございました。
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