| 社長 |
「新信託法では、新しい信託の仕組みが整ったと言う話だけど、少し気になるのは税金のこと。信託を取り巻く税金はどのようになってるのかな?」 |
| 税理士 |
「はい。確かに新信託法で新しい信託の仕組みができましたので、それに対応する形で税の取り扱いも変更されています。新しい信託の仕組みに関する具体的な税の取り扱いは、追って説明させて頂くとして、まずは、信託税制の基本的な考え方をご説明します」 |
| 社長 |
「そうだね。まずは基本的な取り扱いを確認したいね」 |
| 税理士 |
「基本的な考え方は、信託そのものに税金を課税するのではなく、実際に利益を受ける人がその信託財産を有するものとみなして、課税をされるということになります。その場合、受益者が決まっている場合には、受益者がその信託財産を有するものとみなして、税金の計算がされます。また、受益者が決まっていない場合には、委託者がその信託財産を有するものとみなして、税金の計算がされます」 |
| 社長 |
「なるほど。信託自体は関係なく、利益を受ける人が信託財産を持ってるんだと考えて税金が計算されるんだね。であれば、例えば、信託財産を売却したような場合はどうなるの?」 |
| 税理士 |
「もちろん、受益者が決まっているのであれば受益者が売却したものとして税金を計算し、受益者が決まっていないのであれば、委託者が売却したものとして税金を計算します」
|
| 社長 |
「そういうことかあ。ある意味では非常にシンプルだね」 |
| 税理士 |
「はい。一方で投資家から資金を集めて信託を形成し、株式などに投資して、その利益を投資家に分配する投資信託などの一定の信託の場合は、投資家に実際に利益の分配が行われたときに税金が課税されます。先ほどの信託との違いは、先ほどの場合は、実際の利益の分配がなくても、信託財産が収益を上げた時点で税金の計算がされるのに対し、投資信託など一定の信託の場合には、実際に分配がされたときに課税されるという点にあります」 |
| 社長 |
「うん、なるほどねえ。では、信託財産を信託する際には、税金は何か関係あるの?」 |
| 税理士 |
「はい。委託者と受益者が別人物の場合で、信託が無償で行われたような場合には、受益者がその信託財産を有するとみなすことになりますので、委託者から受益者に信託財産の贈与が行われたものとして、受益者に対して贈与税の課税がされます。仮に委託者による信託が遺言により行われた場合には、受益者に対して、信託財産の遺贈が行われたものとして、受益者に対して相続税が課税されます」 |
| 社長 |
「なるほど。信託を通じて、委託者から受益者に信託財産が移ると考え、税金を課税するんだね」 |
| 税理士 |
「そういうことです。先ほどお話した新しい信託に対する税金の考え方もこの基本的な考え方がベースになりますが、その辺りについては、新しい信託を説明しながらお話しましょう」 |