| 社長 |
「前回、信託の設定について話してくれたけれど、「遺言信託」について気になることがあったんだけど」 |
| 税理士 |
「どういったことでしょうか?」 |
| 社長 |
「遺言により、遺言信託の受託者として指定された人が、受託者となることを断った場合にはどうなるのかなと思って」 |
| 税理士 |
「それでは、遺言によって信託が設定されている場合の流れを簡単に説明しますね」 |
| 社長 |
「うん」 |
| 税理士 |
「遺言によって信託が設定されている場合には、相続人や受益者といった利害関係人が、その受託者に指定されている人対して、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができることになっています」 |
| 社長 |
「受託者に指定された人が、その期間内に返事をしなかった場合にはどうなるの?」 |
| 税理士 |
「その信託を引き受けなかったものとみなされるのです」 |
| 社長 |
「その場合にはどうなるの?」 |
| 税理士 |
「利害関係人の申し立てにより、裁判所に受託者を選んでもらうことになります。なお、このように受託者が決まっていないような、いわば宙に浮いたような状態でも、その信託は、遺言の効力発生とともに成立することになります」 |
| 社長 |
「どうして?」 |
| 税理士 |
「宙に浮いたような状態だから信託が成立していない、としてしまうと、通常の相続の手続きによって相続人に財産が渡ってしまい、遺言を残した者の遺志を尊重することができなくなってしまうからです」 |
| 社長 |
「なるほどね。通常の相続の手続きというと、相続人が多い場合には、財産が分散してしまうこともあるわけか」 |
| 税理士 |
「そういうことですね」 |