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信託のすゝめ!
第1回  信託とは?
第2回  信託の機能
第3回  委託者とは?
第4回  受託者とは?
第5回  受益者とは?
第6回  その他の登場人物
第7回  新しい信託
第8回  信託の税制の基本的考え方
第9回  自益信託と他益信託
第10回 信託業法
第11回 信託できる財産
第12回 新しい信託その2 〜自己信託[1]〜
第13回 新しい信託その3 〜自己信託[2]〜
第14回 信託の設定方法
第15回 遺言信託
第16回 新しい信託その4 new
■新しい信託その4[連載第16回]
税理士 「改正信託法で新しく創設された信託の続きで、目的信託についてお話します」
社長 「目的信託? 文字通り、何だか目的がありそうだね(笑)」
税理士 「う〜ん…微妙です。目的信託とは、受益者の存在しない信託をいいます」
社長 「うん? 受益者というのは、信託から利益を受ける者だったよね? その人がいない信託ということ?」
税理士 「そうです。目的信託の代表例としては、公益信託が挙げられます。公益信託というのは、委託者が財産を信託しますが、その信託目的が、奨学金の交付であったり、研究活動などのための助成金の交付だったりします」
社長 「なるほど。信託を活用して寄附をするようなイメージだね」
税理士 「そうですね。委託者が奨学金や助成金の交付を目的とした信託に財産を委託した時点では、受益者、つまり、奨学金や助成金を受ける者は決まっていませんので、まさに、受益者の存在しない目的信託というわけです」
社長 「なるほど。目的信託は、公益信託のような活用がされるということだね」
税理士 「従来は、そのとおりでした。つまり、公益信託以外の目的信託は認められていませんでしたが、改正信託法におきましては、公益信託以外の目的信託の設定が認められるようになりました」
社長 「公益信託以外の目的信託ねえ…。具体的には?」
税理士 「はい。公益信託というのは、文字通り、"公益"ですので、受益者の対象を制限しないなど一定の要件を満たした上で、都道府県などの監督官庁の認可を受けなければなりません。しかし、新しい制度においては、例えば、企業が、将来、自社に入社してくれる人のための奨学金の交付を目的とした信託などを設定することが可能になります。従来であれば、受益者が自社に入社してくれる人に限定されているので、公益信託として認められない場合が多く、結果として信託の設定もできないケースが多かったといえます。新しい制度では、公益信託にはなれませんが、一般の信託として、信託の設定が可能です」
社長 「なるほどねえ。公益信託ではないんだけど、公益信託もどきが可能ということだね」
税理士 「更に、おじいちゃんがまだ生まれてこない孫を受益者とする信託を設定するとか、大学に合格したら受益者にするとかといった活用例も考えられます」
社長 「そうかあ。確かに受益者が存在していないね」
税理士 「ただ、この目的信託も、制度がスタートして悪用される可能性もあることから、目的信託の受託者は、信託事務を適正に整理できる能力、財産的基盤、人的構成を備えた法人に限定されます。つまりは、信託銀行などということです」
社長 「誰もが受託者になるわけではないんだね」
税理士 「それから、目的信託は受益者が存在しないという、ある意味不安定な信託ですので、信託期間については、20年という上限が定められています」
社長 「そうだよね、永遠に受益者がいないのも困るものね」
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